第77回カンヌ国際映画祭は、2024年5月14日から25日にかけて南フランスのカンヌで開催された。審査委員長を務めたのは、2023年に大ヒットしたアメリカ映画「Barbie」の監督グレタ・ガーウィグだった。
審査委員には、トルコ人脚本家・写真家のエブル・セイラン、アメリカ人女優のリリー・グラッドストーン、フランス人女優のエヴァ・グリーン、レバノン人監督・脚本家のナディーン・ラバキ、スペイン人監督・プロデューサー・脚本家のフアン・アントニオ・バヨナ、イタリア人俳優のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、日本人監督の是枝裕和、そしてフランス人俳優・プロデューサーの オマール・シーが選ばれた。 English
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開幕日に人気ブロガーが登場
南フランスの地中海沿岸に位置する美しい都市カンヌに、多くの名俳優や監督が世界中から集結した。初日には「マンマ・ミーヤ!」のメリル・ストリープや、「007」シリーズで主人公を演じたフランスの女優レア・セドゥなどが登場。メリル・ストリープのカンヌ登場は35年ぶりであり、国内外の来場客に大きな歓声を浴びた。
中国からも有名な俳優巩俐(コン・リー)、佟丽娅(トンリーヤー)、彭于晏(エディ・ポン)が姿を見せたが、なぜか彼らはカメラにあまり捉えられず、代わりにとある中国の人気ブロガーが現場のカメラに多く撮影され、世間から注目を集めた。それは、万千恵(ワン・チェンフイ)というTikTokの人気ブロガーだった。
彼女の姿は、90秒以上にわたりクローズアップショットで大きなスクリーンに映し出された。初日に続き、二日目にも1分間のクローズアップショットを独占した。彼女は舞台俳優でもあり、2014年から数多くの舞台に出演した。2021年にTiktokアカウントを開設した間も無く3ヶ月後に、単独ユニットの商品売上総額が3,000万人民元を達した。これにより、中国国内で有名人となり、多くの国際イベントに出席している。
彼女のスタイリストは、中国の俳優範氷氷(ファン・ビンビン)の専属スタイリストであり、万全の準備が功を奏し、レッドカーペットでのクローズアップショットが彼女の人気を一気に押し上げたと報じられている。来年のカンヌ国際映画祭でどのような変化が起きるのか、注目されるところである。
“日本と世界の架け橋に” 「JAPAN NIGHT」
毎年、カンヌでは慣例なるレッドカーペットやメイン会場での様々な授賞式以外にも、各国がそれぞれの映画や文化を発信する個別のセルモにーが別の場所で開催される。これまでに「CHINA NIGHT」、「BEIJING NIGHT」、「HONGKONG NIGHT」、「TAIWAN NIGHT」、「KOREA NIGHT」などが行われてきた。
今年、初めてカンヌ国際映画祭で日本映画や文化を世界に発信するための「JAPAN NIGHT」が、5月17日(フランス現地時間)にカンヌ国際映画祭期間中でホテル マルティネス カンヌで開催された。主催者は俳優・プロデューサーとして活躍の場を広げるMEGUMIだった。映画監督やプロデューサーなど、世界中の映画業界関係者約700人が来場し、パーティーは大盛況だった。今回のコンペティション部門の審査員を務める是枝裕和監督も来場した。MEGUMIは、日本の映画関係者がさらに海外に目を向けるきっかけになればという思いを語っている。
中央:ティエリー・フレモー監督
(写真:株式会社Kicky)
「JAPAN NIGHT」会場現場(投影された写真は有名なフォトグラファーRKの作品)
「Japan Night」 で登壇された方は、斎藤工監督、深田晃司監督、木村太一監督、千原徹也監督、小出亮太プロデューサーなど。来場した映画関係の方は、ゆりやんレトリィバァ監督、西川美和監督、「ぼくのお日さま」の出演者、制作チームなど。イベント中に、各監督により、自らの作品を発表した。
「JAPAN NIGHT」で日本映画を紹介(右写真:MEGUMIと斎藤工監督)
公式パートナーBMWからの「お届け便」
第77回カンヌ国際映画祭の公式パートナーには、AIR FRANCE、Brut.、J.P. MORGAN、L’OREAL PARIS、MASTERCARD、MICROSOFT、NESPRESSO、TIKTOKなどがあった。L’OREALが招待した著名人が滞在するホテルには、L’OREALとCHOPARDの看板が飾られていた。
今年もBMWは、第77回カンヌ国際映画祭の公式パートナーとして、有名俳優たちの各会場への移動をサポートした。来場者は再び、BMWの最新車種でシャトルサービスを利用できた。
また、BMWは今回のカンヌ国際映画祭のために、特別なショーカーを発表した。このショーカーは、BMWのプライベートパーティで披露された「XMミスティーク アリュール(Mystique Allure)」のワンオフモデルであり、ベルベットとスパンコールでドレスアップされた特別仕様のBMW XMだった。イギリスのスーパーモデル、ナオミ・キャンベルと、2021年『DUNE/デューン 砂の惑星』でアカデミー作曲賞を受賞したドイツ出身の作曲家ハンス・ジマーが司会を務め、発表された。
このショーカーは、2023年から「BMW XM」のプロモーションを担当しているスーパーモデルのナオミ・キャンベルとのコラボレーションによって誕生した。
撮影(Photograph) 京聯栄GT株式会社
編集(Editor)京聯栄GT株式会社